2008 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトインタフェースの電気化学的構造制御と分離化学への展開
Project/Area Number |
19550087
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 耕治 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (00229303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 裕美 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40314306)
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Keywords | 分析化学 / 表面・界面物性 / 電気化学 / 液液界面 / 界面活性剤 |
Research Abstract |
1. ソフトインタフェースとしてのリン脂質膜の構造制御 多価金属イオンとの結合により生じるリン脂質層の稠密化が、中性リン脂質と酸性リン脂質との混合により相乗的に増大することを明らかにした。また、温度の上昇に伴い稠密化が消失し相転移的に変化することも分かり、pHや温度の制御により構造制御の可能性を示した。 2. 交流法を用いるリン脂質層における弱い静電相互作用の検出 ビスアンモニウムイオンが中性あるいは酸性リン脂質の負電荷との相互作用を経て、界面を横切る反応を交流法を用いて検出した。直流法では検出されない電位領域でのイオン移動反応を交流法にて検出することができた。この交流信号の増大にもとづいて、リン脂質の酸解離状態を電気化学的に解析することができた。 3. ソフトインターフェースとしてのエマルションを用いる分離・分析反応 (1) エマルションの型決定のための電気化学的基準の提案 エマルションの代表的な型には、油中水滴型(W/O)と水中油滴型(W/O)があるが、従来、界面活性剤の構造や疎水性から判断する経験則しか存在しなかった。今回、界面活性剤の分配比と液液界面の電気二重層の帯電状態を考慮した電気化学的基準を提案し、電気化学測定により裏付けた。 (2) エマルションを用いる化学発光分析法 W/O型エマルションの油滴の中にイオン性発光試薬を溶かして、水中に分配させた瞬間、発光するシステムを構築し、過酸化水素や還元糖を定量した。エマルション界面は発光を増感させるとともに、用いる有機溶媒によって発光スペクトルを変化させた。波長や測光のタイミングなどに留意し、最適の分析条件を確立した。
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Research Products
(13 results)