2007 Fiscal Year Annual Research Report
非イオン界面活性剤ミセルを媒体とするイオン会合抽出と分離分析
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19550090
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高柳 俊夫 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (50263554)
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Keywords | 非イオン界面活性剤 / 二相間分配反応 / ミセル結合反応 / ダンシルアミノ酸 / アルキルピリジニウム / ポリオキシエチレン / 結合選択性 |
Research Abstract |
本研究では,溶媒抽出法に基づく分離分析法からの脱却と擬均一系水系溶媒でのミセル抽出への移行を指向し,疎水性イオン及びイオン会合体のミセル抽出現象に関する物理化学の確立を目的として研究を進めている.非イオン界面活性剤からなるミセルは,ミセル自身に電荷を有さない点で有機溶媒と等価であるが,無電荷物質に加えて電荷を有する物質も結合する特徴を有する.本年度は特に,疎水性イオンの非イオン界面活性剤ミセルへの結合反応について検討を進めた.結合反応解析には,反応に基づいてプローブイオンの電気泳動移動度が変化するキャピラリー電気泳動法を用いた. 対象とする疎水性物質として,一連の物質が揃った陰イオンであることから8種類のダンシルアミノ酸類を選択して用い,各種非イオン界面活性剤ミセルへの結合反応平衡を調査した.ダンシルアミノ酸類の結合反応は,水-オクタノールのアミノ酸の分配平衡からみられる疎水性を反映する結果が得られた.界面活性剤はその種類により疎水性媒体としての特性,疎水的環塊が異なることを結合定数から知ることができた.(学会発表済,論文投稿中) また,ミセルへ結合する物質として6種類の陽イオン性アルキルピリジニウムを用いた場合,得られた結合定数は分子体積に基づく疎水性から予想される値よりも小さい結果が得られた.疎水性陽イオンと疎水性陰イオンに対して,ポリオキシエチレン部位を有する非イオン界面活性剤ミセルが異なる選択律を示す結果が得られた.(学会発表済,論文執筆中)
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Research Products
(4 results)