2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550092
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
奥野 和彦 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 研究員 (70087005)
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Keywords | イオンガイド / electron spray ion source / lazer desorption ion source / イオントラップ / 大気圧質量分析 |
Research Abstract |
本年度のイオンガイドを利用した大気圧質量分析技術の開発研究では、1)イオン生成法にはElectron spray ionsource(ESI)に加えてLaser desorption ionsource(LDI)を採用して、小型のLDI型イオン源を設計製作し、2)大気圧から高真空側へのイオン導入部にはイオンガイドを組み込んだSUS細管を真空隔壁を貫通させた配置で圧力差を確保してRF電場で動径方向のイオン拡散を防ぎイオンガイド中のガス流でイオンを効率よく下流に輸送する、3)イオンガイドの出口に設けたポテンシャル壁でイオンをトラップし、4)そのポテンシャル壁の開閉でトラップされたイオンをパルス的に引き出して後段の高真空の質量分析領域に再びイオンガイドで導くという手法を採用して、本研究が目的とする新しい質量分析技術開発の試行錯誤を重ねた。度重ねる試行の結果、大気圧質量分析の技術開発にとって重要な情報として、1)LDIから7cmの細管を通じて真空部にガス流で輸送されるイオンはレーザー照射後数ミリ秒かかり(台風並みの風に乗って運ばれるがごとく)時間的にも広く分布してしまう、2)ガス流による輸送されるイオンは2〜3V程度のポテンシャル壁では乗り越えてしまいトラップには充分な高さのポテンシャルが必要、3)LDIからの輸送にガラスなど絶縁管を使用するとイオン透過率が桁違いに増加する、などが判明した。これまでの研究でイオンガイド利用の有効性は実証できたが、ESIはLDIに較べて安定なイオン供給ができるが適切なイオン生成条件を見出すにはいたっていないなど、現段階では、本研究の目的達成にはまだ技術開発と創意工夫が必要である。
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Research Products
(4 results)