2009 Fiscal Year Annual Research Report
溶媒抽出試薬担持型機能性シリカゲル分離材の分離能向上機能の解明
Project/Area Number |
19550093
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Research Institution | Hokkaido Pharmaceutical University School of Pharmacy |
Principal Investigator |
國仙 久雄 Hokkaido Pharmaceutical University School of Pharmacy, 薬学部, 教授 (10251571)
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Keywords | 多孔質ケイ酸塩 / 表面修飾 / 溶媒抽出 / 分離材 / ガリウムイオン / インジウムイオン |
Research Abstract |
シリカゲル表面にアルキル鎖を表面修飾し、これに溶媒抽出法で用いられる抽出試薬を吸着担持した機能性シリカゲル分離材の金属イオンへの分離能は、同じ抽出試薬を用いた溶媒抽出法と比較して優れていることが報告した。同様の分離材として表面処理を行わずにシリカゲルやガラスビーズに直接吸着担持したものが報告されているが、本研究の新規分離材は以下のような特徴を有している。 ●金属イオンの捕集能力は同レベルである。 ●金属イオンの分離能力が優れている。 ●吸着担持した抽出試薬の剥離が無く、耐久性と再現性が優れている。 本研究では、ケイ酸塩表面をアルキル鎖で表面修飾した機能性ケイ酸塩分離材が、溶媒抽出法と比較して金属イオンの選択性が向上する理由を、シリカゲルの細孔効果であると推定し、この選択性発現機構を明らかにすることを目的として検討を行った。本年度は以下の項目について実験を行った。 (1) 金属イオンの捕集能と分離能の確認 本項目ではシリカゲルにオクタデシル基を導入し、そこへテノイルトリフルオロアセトンを吸着担持させた分離材を合成した。これを用いてアルカリ土類金属イオンの吸着担持実験を行った。その結果、合成した分離材では吸着能力が低く、選択性の評価は困難であった。これは吸着能が低いため加水分解との競争反応となった事が原因である。 (2) 吸着担持抽出試薬の評価 本項目は分離能向上効果と細孔径の関係が明白ではないと考えられるために行った実験項目である。ここでは抽出試薬として負2価6座配位子であるH_2bbpenを吸着させた分離材を合成し、GaとInの吸着実験を行ない、溶媒抽出実験結果と比較した。その結果、吸着化学種、吸着機構および選択性は溶媒抽出とほぼ同等であることがわかった。一方、吸着能は低く、配位子の見かけ上の濃度が低いことが原因と考えられる。吸着能向上のため、吸着担持される配位子量の増加を検討する必要がある。
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