2008 Fiscal Year Annual Research Report
高性能な糖分析用充填剤の開発と糖鎖関連糖類分析への応用
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19550095
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
花田 尊子 (増田 尊子) Tokyo Medical University, 医学部, 助教 (50229374)
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Keywords | 高速液体クロマトグラフィー / イオン交換樹脂 / 糖類 |
Research Abstract |
本研究では、HPLCを用いた糖類のより高性能な分析法を確立するため、クロロメチルスチレン-ジビニルベンゼン共重合体担体(粒径5μm)と様々な三級アミン類との反応により四級アンモニウム塩型充填剤を開発し、分離と三級アミンの構造との相関、さらに糖の構造と充填剤との相互作用を検討することを目的としている。 平成20年度の研究で、N,N,N',N'-1,6-ジアミノヘキサンから調製した四級アンモニウム塩型カラム充填剤を用い、アルドペントース(ribose, arabinose, xylose, lyxose)、アルドヘキソース(glucose, galactose, allose, altrose, mannose, gulose, idose, tarose)の分離を目的に、移動相であるNaOH水溶液濃度が各糖の溶出挙動に及ぼす効果を詳細に検討した。NaOH濃度を100mM〜10mMまで変化させ分離を試みた結果、NaOH濃度を低くするとともに、アルドペントース、アルドペントースの溶出時間はすべて増加する傾向を示した。移動相:20mM NaOH・流速:1.0mL/minにおいて、アルドペントース4種・アルドヘキソース8種がそれぞれ分離可能となった。 陰イオン交換モードによる糖分析では、各糖類は、pKa値の高いものから順に溶出する。一方、本研究では、移動相:100mM〜10mMでアルドペントースはarabinose (pK_a 12.34)<lyxose (pK_a 12.11)<xylose (pK_a 12.15)<ribose (pK_a 12.11)、アルドヘキソースは移動相:100mM〜60mMでmannose (pK_a12.08)<glucose (pK_a 12.28)<galactose (pK_a 12.35)とpKa値の順とは異なる溶出順位であった。一般に、単糖はピラノース形・フラノース形の環状構造の平衡で存在し、その割合は各糖で異なる。本研究で得たアルドースの溶出特性から、陰イオン交換モードによる糖の溶出川頁位には、pK_a値だけでなく、各糖の環状構造特性も関係すると考えられた。
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Research Products
(2 results)