2007 Fiscal Year Annual Research Report
共役ジエンの螺旋に基づく新規不斉配位子の開発不斉合成への応用
Project/Area Number |
19550099
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小笠原 正道 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 准教授 (70301231)
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Keywords | ホスフィン / 遷移金属錯体 / 不斉合成 / 均一系触媒 / 光学分割 / エナンチオマー / ラセミ体 |
Research Abstract |
現代の合成有機化学において立体選択的反応、なかでも新規エナンチオ選択的反応の開発は最も重要な研究課題の一つである。創薬化学をはじめとするファインケミカル工業においては、キラルな化合物を単一のエナンチオマーとして供給することが求められており、不斉合成反応は非常に有効な手段となっている。光学活性化合物を得るための有効なアプローチとして、均一系遷移金属触媒を用いる不斉反応があるが、高いエナンチオ選択性発現のためには「効果的な不斉配位子」の設計が鍵となる。従来より多くの優れた不斉配位子が報告されているが、触媒的不斉合成の対象となる反応のバリエーションの広がりとともに、依然として新たな設計に基づく不斉配位子へのニーズは高い。 本研究では、従来に無い設計思想に基づく新規不斉ボスフィンを設計・合成し、それらを様々な遷移金属錯体触媒へ応用することを目的としている。本年度の研究においては、設計したホスフィンをマクロスケールで合成する手法を確立した。これらのホスフィンは、容易に入手可能な原料から数段階の反応により高収率で得ることができる。続いて、得られたラセミ体のホスフィンを純粋なエナンチオマーに分割する手法を見出した。我々の見出した光学分割の手法は、市販されている安価な試薬を用いており、大スケールでの反応にも対応可能である。また、X線構造解析により、光学的に純粋なホスフィンの絶対構造を決定した。今後は、得られた化合物の性能に関する評価を進める。
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Research Products
(25 results)