2007 Fiscal Year Annual Research Report
炭素不飽和結合を含む系における炭素一炭素結合形成反応の開発と有用な変換反応の設計
Project/Area Number |
19550102
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 雄一 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (90153650)
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Keywords | アリル化反応 / ピコリン酸 / anti SN2' / Grignard試薬 / アリール基 / プロパルギルGrignard試薬 / エポキシイソプロスタンA_2ホスホコリン / Δ^<12>-プロスタグランジンJ_2 |
Research Abstract |
当研究室では最近,鎖状のアリルアルコール誘導体(基質)のアリル化反応を位置選択的かつ立体選択的に行なわせる脱離基としてピコリル基(pyridy1-C(=0)0-)を見いだし,一方,R-C≡C-CH_2MgBrの調製では従来必要であったHg(II)を使わないクリーンな方法を見いだした(新たな活性触媒はZnX_2)。本研究申請時,これらの反応は未発表であったが,本研究をとおして,それぞれの反応の有用性を示し,論文発表した。具体的には,RMgBr/CuXから成る試薬のRとして,アルキル基,アリール基(芳香環),アルケニル基を使うことができた。反応はいずれも立体選択的かつ位置選択的に進行し,antiS_N2'生成物を与え,不斉転写は>95%以上であった。アリール基を選択的に導入できる点は本反応システムの大きな特長である。一方,ZnX_2触媒存在下,R-C≡C-CH_2BrとMgからR-C≡C-CH_2MgBrを調製する方法の一般性を調べたところ,RとしてH, SiMe_3(TMS),n-C_5H_11, n-C_8H_17を用いることができた。こうして調製したプロパルギルGrignard試薬はアルデヒドやケトンと良好に反応した。さらに,環状アリルエステルとのアリル化反応ではanti S_N2'生成物を位置選択的かつ立体選択的に生成した。さらに,この反応を応用して動脈硬化の原因物質と言われているエポキシイソプロスタンA_2ホスホコリンと核内レセプターに作用するΔ^<12>-プロスタグランジンJ_2類の合成に成功した。
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Research Products
(4 results)