2008 Fiscal Year Annual Research Report
Co触媒とFe触媒による高エナンチオ選択的ヘテロ原子導入反応の開発
Project/Area Number |
19550107
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
川面 基 Tottori University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50360243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 敏幸 鳥取大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50193503)
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Keywords | 鉄 / コバルト / 不斉合成 / ヘテロ原子 / フッ素化 / ナザロフ環化 / マンガン |
Research Abstract |
β-ケトエステル類のα位にフッ素原子をエナンチオ選択的に導入し,医薬品合成重要中間体などとして知られるキラルなα-フルオロ-β-ケトエステル類の合成を実現した.具体的にはCo(acac)2とJacobsen型配位子との組み合わせによる触媒を用いることで,最高90%eeでフッ素原子をエナンチオ選択的に導入する事に成功し当初の研究目的を達成することができた. また,鉄塩を触媒とした反応系においても,Fe(OAc)2とJacobsen型配位子との組み合わせで58%eeのエナンチオ選択性が得られることを見いだした.更に,本研究の過程において,同じ反応がマンガン触媒によっても進行し,MnF3とJacobsen型配位子との組み合わせで72%eeと良好なエナンチオ選択性が得られる事を見いだした. また,同じくβ-ケトエステルの不斉塩素化反応も行い,同じコバルト触媒を用いて最高92%eeでα位の不斉塩素化反応を進行させる事にも成功した. このように,当初目的としたFeおよびCoを触媒としたエナンチオ選択的なヘテロ原子導入反応の開発に成功した. さらに本研究過程で鉄およびコバルト触媒によるナザロフ型環化反応の不斉反応化にも成功し,Fe(OTf)2とtb-pyboxあるいはFe(ClO4)2とip-pyboxを触媒とした場合にそれぞれ最高93%eeおよび76%eeでエナンチオ選択的ナザロフ型環化反応が進行する事を見いだした.
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