2007 Fiscal Year Annual Research Report
高官能基選択的な有機還元剤の開発とそれを用いる還元的分子変換反応の開発
Project/Area Number |
19550108
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒星 学 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (30242316)
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Keywords | ビオロゲン / パラジウム触媒 / 芳香族ハロゲン化物 / 還元的二量化 / 有機還元剤 / 電解還元 |
Research Abstract |
1.(拡張)ビオロゲン誘導体の合成とその物性・電気化学特性評価 4,4'-ビピリジルのN上にポリ(エチレンオキシ)基および芳香環を導入したビオロゲン誘導体を合成し,その酸化還元電位をサイクリックボルタンメトリーで測定した。ポリ(エチレンオキシ)基を導入した場合は通常のアルキル基を導入した場合に比べて還元力は変わらなかったが,芳香環を導入するとその還元力は低下した。ビオロゲン誘導体の溶解度は対アニオンによってかなり影響を受けることがわかった。たとえば,ビス(トリフルイミド)[NTf2-]を対アニオンに有するビオロゲンは極性の高い有機溶媒には溶解するが,ヘキサンなどの非極性溶媒もしくは水には溶解しないことがわかった。このことは,ビオロゲン誘導体の回収・再利用に当たって重要な知見となる。 2.還元型ビオロゲン誘導体(VO)を用いる分子変換反応の開発 マグネシウム陽極・白金陰極を付した非分離型電解セルを用いてビオロゲン誘導体をテトラヒドロフラン中で電解還元すると,還元型ビオロゲン誘導体(VO)が発生した。これを用いてパラジウム触媒存在下,芳香族ハロゲン化物の還元的二量化が進行し,相当するビフェニル体が得られた。同反応は水やイオン液体を溶媒に用いても進行することが明らかになった。現在,この成果について論文を作成中である。
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Research Products
(5 results)