2008 Fiscal Year Annual Research Report
トリクロロシラン還元の新展開を目指した活性化剤の開発とその利用
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19550109
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
尾野村 治 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60304961)
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Keywords | トリクロロシラン / 高配位ケイ素 / 不斉還元 / プロリン / 光学活性アルコール / 光学活性アミン / ジアステレオ選択性 / エナンチオ選択性 |
Research Abstract |
本研究は、安価で容易に供給されるトリクロロシラン(Cl_3SiH)を還元剤として、有機分子を活性化剤として用いたケトン、イミンの高度不斉分子変換を行おうとするものである。以前の研究で見出したトリクロロシランの不斉触媒的活性化剤(A)を大量合成し、種々のケトンの高効率不斉還元を行い、有用光学活性アルコールを合成できるようになった。 また、trans選択的なプロリン5位へのアリール基導入法も開発し、C_2対称光学活性2,5-ジアリールピロリジン誘導体の取得が容易となった。その結果、種々のイミンの高効率不斉還元が可能となり、有用光学活性アミンを合成できようになった。 さらに、これまで全くトリクロロシランの活性化剤となる可能性の知られていなかったスルホンアミド構造を持つ活性化剤を開発した。 これらを用い、これまで難しかった不飽和ケトンの不斉還元やアリルトリクロロシランを用いるアリル化も検討し、活性化剤の構造をさらに最適化できればこれら反応が可能となることが示唆される結果を得た。 また隣接炭素が置換されたイミンのジアステレオ選択的還元を検討した。活性化剤を使い分ければ、シス選択的還元とトランス選択的還元のどちらも可能となることがわかった。この結果に基づき、ラセミの隣接炭素が置換されたイミンの速度論的光学分割の可能性も見出すことができた。
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