2007 Fiscal Year Annual Research Report
架橋鎖の構造特性を活かした面不斉ピリジンの反応制御とその応用
Project/Area Number |
19550112
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鹿又 宣弘 Waseda University, 理工学術院, 教授 (40221890)
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Keywords | 面不斉 / ピリジノファン / 不斉シクロプロパン化 / ピリジニウムイリド / ターピリジン / アトロブ異性 / 選択的合成・反応 / 不斉合成 |
Research Abstract |
本年度は,架橋鎖の構造特性を活かした面不斉ピリジンの構造特性と不斉反応における立体選択性との相関関係を明らかにすべく,下記の項目に関する研究を行った。 【面不斉ピリジンにおける架橋鎖の動的挙動に関する研究】様々な面不斉ピリジンとして,ピリジン環のC-3位に置換基を有する光学活性な[10](2,5)ピリジノファンを用い,ラセミ化の動力学的パラメータを測定した.C-3位に嵩高い置換基を導入すると活性化自由エネルギ三が減少することから,置換基による架橋鎖の押し出し効果がラセミ化の促進に影響していることを明らかにした.また,対応する面不斉ピリジンのピクリン酸塩についてX線結晶解析を行い,C-3位置換基の嵩高さによってピリジノファン架橋鎖炉ピリジン環の窒素原子側へ押し出される効果があることを見いだした. 【面不斉ピリジンにおける遠隔立体効果と不斉シクロブ呈パン化反応】面不斉ピリジニウムイリドを用いて,ベンザロマロノニトリルとの反応を行った.その結果,反応点となるイリド炭素から見て架橋鎖の反対側に位置するC-3位に嵩高い置換基を導入すると,応学活性シクロプロパンの不斉収率を飛躍的に向上させるという,全く新しい知見を見いだした.このことから,不斉シクロプロパン化の立体選択性を支配する要因の一つとして,ピリジン環C-3位の遠隔立体効果が極めて重要であることを明らかとした. 【面不斉ターピリジンの合成と触媒的不斉シクロプロパン化反応】C2対称性を有する面不斉ターピリジンの合成を行い,銅触媒存在下におけるジアゾ酢酸エチルとスチレンの反応による触媒的不斉シクロプロパン化反応を検討した.その結果,ターピリジンの両端に位置するピリジノファンのC-3位に嵩高い置換基を導入することで,シクロプロパン化合物の光学収率が大きく向上することを見いだした.
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