2007 Fiscal Year Annual Research Report
低原子価チタンの新発生法と結合生成・解裂反応への利用
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19550113
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
岡本 専太郎 Kanagawa University, 工学部, 教授 (00201989)
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Keywords | 低原子価チタン / 脱アリル化 / 脱プロパルギル化 / アルキン[2+2+2]環化付加 / 脱保護法 / 置換ベンゼン |
Research Abstract |
本年度,チタンアルコキシド[Ti(OR)_4]と金属Mg粉末が少量のハロゲン源[Me_3SiClやMgBr_2など]の存在下で反応し、低原子価チタン反応剤を温和に発生すること、および、この反応剤によって、アリルエーテル、プロパルギルエーテルが切断され対応するアルコールを収率良く与える事を見いだした。この反応は、高い官能基選択性を持ち、また添加物(酢酸エステルなど)の有無でアリルエーテルとプロパルギルエーテルとの間で反応を制御できる事から、アリルエーテルやプロパルギルエーテルを保護期成らしめる新しい脱保護法として期待できる。また、この反応剤は、アルキンの[2+2+2]型環化付加反応の触媒として、McMurry反応剤として、イミンの還元的二量化剤として機能することを見いだしており、さらなる反応開発の芽と成った。次年度にこれらの反応の合成反応としての確立と応用について検討する。また、結果として低原子価チタンを利用するものではないが、この研究の中で、CaH2が亜鉛塩と反応し還元性ヒドリドを生成すること、さらにこれがカルボニル化合物の還元剤として利用できる事を明らかとした。今後、このヒドリドを還元剤とする低原子価チタンの発生にも興味が持たれる。
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