2007 Fiscal Year Annual Research Report
多重刺激応答機能を有するアミノ酸系高分子の精密合成とキラル環境下での高次構造転移
Project/Area Number |
19550118
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
森 秀晴 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00262600)
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Keywords | 高分子合成 / ナノ材料 / 自己組織化 / 刺激応答性 / アミノ酸 |
Research Abstract |
多重刺激応答性ブロック共重合体の合成として、温度応答性セグメントを形成するモノマー(A-Pro-OMe等)の可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合を行った。この際、一段目の重合で得られる連鎖移動剤の構造を末端に有するマクロ連鎖移動剤の反応性を考慮し、コモノマーの種類や重合条件等を検討し最適条件を決定した。また、適切な転移温度(LCST)を有する共重合体を構築するため、親水性や疎水性の異なるセグメントを用い、且つ組成やブロック鎖長の異なるブロック共重合体を合成した。これらの共重合体の温度応答性を水環境下で評価した結果、温度応答性ポリマーに疎水性を付与すると低温側に、親水性を付与すると高温側に転移温度が変化することが見出された。また、ブロック共重合体とランダム共重合体で温度応答性が大きく異なることも明らかになった。 次に、pH-応答性セグメントを形成するモノマー(A-Phe-OH等)との共重合をRAFT重合を用いて行った。この際、両セグメントが可溶となるジオキサン等の有機溶媒を用いることで分子鎖長の揃った共重合体の合成が可能となった。また、単一の構造で体温付近のLCSTを有するセグメントの構築を目指し、親水性の高いヒドロキシプロリン誘導体(A-Hyp-OMe)の重合性及び生成ポリマーの温度応答性を検討した。一方、pH-応答性セグメントとして、比較的親水性のアミノ酸(A-Ala-OH等)やそれらのL-体とD-体等を用いる事でキラリティーや親水性の異なるブロック共重合体の合成にも成功した。
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Research Products
(10 results)