2008 Fiscal Year Annual Research Report
温度応答性高分子ミセルまたは星型ポリマーによる金ナノ微粒子触媒の創製および再利用
Project/Area Number |
19550123
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金岡 鍾局 Osaka University, 理学研究科, 准教授 (10275167)
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Keywords | 金ナノ微粒子 / 温度応答性 / 星型ポリマー / リビング重合 / カチオン重合 / アルコール酸化 / ビニルエーテル / ミセル |
Research Abstract |
添加塩基存在下、ハロゲン化金属(EtAICI_2,SnCI_4など)とビニルエーテル(VE)のプロトン酸付加体(カチオン源)を組み合わせたリビング重合開始剤系により、側鎖にオキシエチレン、アルコール、カルボン酸を含むVEセグメントを有する星型ポリマーを合成した。多数の分岐構造を有するポリマーを合成するため、星型ポリマーは、リビングポリマーに疎水性二官能性VEを添加する方法により合成した。得られたポリマーの水溶液に塩化金酸水溶液を混合し、一定速度で激しく撹拌しながら、0℃で水素化ホウ素ナトリウムを添加すると、粒径3〜4nmの金ナノ微粒が生成した。得られた金ナノ微粒子は非常に安定で、長期にわたって自発的な凝集が起こらないことを確認した。オキシエチレンVEポリマーは温度応答性を有しており、得られた星型ポリマー担持微粒子も温度を上げると相分離をし、その後、温度を下げると凝集体を生成することなく、再び溶液に戻った。このようにして得られた微粒子は、種々のアルコールの酸化反応の触媒として有効に働き、ポリマーの温度応答性を利用した再利用が可能で、5回繰り返して使用しても初めとほぼ同じ活性を示した。さらに同様の手法で、銀、パラジウムのナノ微粒子を合成した。安定な微粒子を得るのが困難とされる銀からも非常に安定な微粒子が生成した。また、パラジウム微粒子はHeck反応などの触媒として有効であった。
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