2007 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素中での導電性高分子薄膜の合成と性質
Project/Area Number |
19550127
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
湯浅 真 Tokyo University of Science, 理工学部, 教授 (40192801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 英則 東京理科大学, 理工学部, 助教 (50367075)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 導電性高分子 / ポルフィリン / 電解重合 / 薄膜 / チオフェン / ピロール / アニリン |
Research Abstract |
近年、電子部品材料の高集積化が次世代産業の必須要件として認識され、その軽薄短小化はナノレベルに及ぼうとしている。しかし、常温・常圧環境下での電解重合法により得られる高分子薄膜は、一般にマイクロレベルでの緻密さ・平坦さに留まっており、ナノレベルでの高度集積化には、未だ多くの問題点を抱えている。そこで本研究では、物質拡散が常温・常圧環境下よりも1000倍程度大きい超臨界環境下において、チオフェン、ピロールおよびアニリン誘導体の電解酸化重合を系統的に実施し、ナノレベルで緻密かつ平坦な高分子薄膜を精密合成することを目的とした。 1.活性部位として働く機能錯体の精密合成 目的とするナノ集積型機能高分子薄膜の単量体の一つであるメソ位が3-チエニル基で置換されたポルフィリンを量合成し、分子構造と純度を正確に把握した。具体的には、プロピオンアルデヒドとチオフェンカルボアルデヒドの混合物を用いた環巻き反応により合成した。構造解析は1H-NMR、UV・vis、FAB-Massにより行い、収率高く得るための合成条件を正確に把握した。次に、超臨界重合試験の前段階として、常温常圧下でチオフリルポルフィリン類を有機溶媒中で電解重合し、単量体の酸化還元電位、酸化状態の安定度、重合活性種の構造と重合機構、薄膜の性質などを正確に把握した。 2.超臨界流体を用いた電解酸化重合法による機能高分子薄膜の合成 超臨界二酸化炭素環境下におけるチオフェン類の電解酸化重合を実施した。まず簡単なチオフェンを単量体に用いて電解酸化重合し、基板上に重合物質を形成させた。重合条件を系統的に変化させ、薄膜作製の基礎的要件を把握した。次いで、これらの知見を基に合成チオフリルポルフィリン類の電解重合に展開し、膜圧や配向度の精密制御されたポリチオフェン薄膜を効率高く作製した。
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Research Products
(17 results)