2007 Fiscal Year Annual Research Report
縮合系ハイパーブランチポリマーの分子量と分子量分布の制御
Project/Area Number |
19550128
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
横澤 勉 Kanagawa University, 工学部, 教授 (80182690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 明弘 神奈川県大学, 工学部, 助教 (50343637)
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Keywords | 高分子合成 / 合成化学 / 自己組織化 / 有機化学 / 精密重合 / 多分岐高分子 / 重縮合 / リビング重合 |
Research Abstract |
本研では縮合系AB_2モノマーを開始剤からリビング重合と同様に連鎖重合させて、分子量が制御された分子量分布の狭いハイパーブランチポリマーを合成する手法を確立することを目的としている。我々は縮合重合における自己縮合を抑制し、開始剤および高分子末端にモノマーが選択的に縮合するリビング重合系を開発してきた。最近ではメタ置換アミノ安息香酸エステルから分子量分布の狭いポリ(m-ベンズアミド)の合成に成功した。このモノマーの自己縮合が抑制されているのはアミドアニオンの強い電子供与能力が誘起効果によってエステル部位に伝達されエステル部位が不活性化されているためと説明できる。そこでもうひとつエステル部位を有するAB_2モノマーにおいても同様な置換基効果によって自己縮合が抑制され、開始剤から連鎖重合が進行して分子量分布の狭いハイパーブランチポリアミドが得られると期待した。 本年度は(1)ハイパーブランチポリアミド合成における連鎖重合機構の確認、(2)種々のアミノアルキル基を有するハイパーブランチポリアミドの合成、(3)分子量分布の狭いハイパーブランチポリアミドと芳香族ポリアミドのブロック共重合体のone pot合成について検討した。(1)については5-メチルアミノイソフタル酸エチルの塩基存在下における重合挙動を検討した結果、モノマーの転化率に対して分子量は比例して増加し、分子量分布も常に狭い値であった。また、分子量は開始剤に対するモノマーの仕込み量にも比例して増加した。さらにMALDI-TOF質量分析ではいずれのポリマーにも開始剤部位が結合していることを明らかにした。以上の結果から本重合は開始剤から連鎖重合が進行していることを明らかにした。(2)についてはモノマーのアミノ基ヘメチル基の変わりに長鎖アルキル基、親水性基であるオキシエチレン鎖、そして保護基であるアルコキシベンジル基をそれぞれ導入して重合を検討した結果、いずれのモノマーにおいても分子量分布の狭いハイパーブランチポリマーが分子量を制御して得ることができた。特にアルコキシベンジル基を持つハイパーブランチポリアミドは酸によってそのアルキル基が脱保護し、NHアミド結合を持つハイパーブランチポリアミドに変換できた。(3)については我々が開発した分子量分布の狭い線状ポリ(m-ベンズアミド)合成法に引き続いて本課題で検討したハイパーブランチポリマーアミド合成法を行い、one potで線状ポリマーとハイパーブランチポリマーとのブロック共重合体を得ることができた。
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Research Products
(5 results)