2007 Fiscal Year Annual Research Report
水中計測を実現するロタキサン型イオン・糖認識プローブの開発
Project/Area Number |
19550130
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 巌 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 准教授 (30226493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 晶世 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70361110)
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Keywords | ロタキサン / 超分子 / シクロデキストリン / 蛍光プローブ / カリウムイオンセンサー / フェニルボロン酸 / ピレン / スチリルピリジニウム色素 |
Research Abstract |
アルキル鎖を導入したベンゾ-18-クラウン-6-エーテル誘導体をロタキサンの「軸」に,ピレン修飾α-シクロデキストリンを擬ロタキサンの「珠」とした超分子化合物は,水中でカリウムイオンに対し,発蛍光型の応答を伴う三元錯体を形成することを見いだした.この三元錯体中では,軸のベンゾクラウン環と珠のピレン環との間のπ-π相互作用の他に,ベンゾクラウン環に捕捉されたカリウムイオンとピレン環との間のカチオン-π相互作用の存在を明らかにした.さらに,軸の他端にエチニル基を導入し,デオキシアジ化グルコースとの反応に附したところ,低収率ながら真ロタキサンの形成が確認された. 一方,β-シクロデキストリンにフェニルボロン酸を導入した化合物を「珠」,アルキル基の両端にスチリルピリジニウム残基を導入した色素を「軸」とする擬ロタキサンは,水中でガラクトースやグルコースに対して発蛍光型の応答を行う超分子プローブとなることを見いだした.糖に対する選択性はアルキル鎖の長さで有る程度の制御も可能であることを見いだした.また,このフェニルボロン酸修飾シクロデキストリン-スチリルピリジニウム色素系の蛍光応答機構を解明した.さらに,超分子型糖プローブの基礎的な検討を行うために,TICT蛍光を発するN,N-ジメチルアミノフェニルボロン酸と各種シクロデキストリンとの相互作用を詳細に検討し,その発光機構と糖に対する応答を明らかにした.
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