2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ元素ドープチタニア光触媒開発と蛍光分光XAFSによる電子準位と活性構造観測
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19550134
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
泉 康雄 Chiba University, 大学院・理学研究科, 准教授 (50251666)
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン / 可視光励起 / ドープ元素 / X線吸収微細構造 / 環境調和化学 / 状態選別 / メソ細孔体 |
Research Abstract |
尿素/チオ尿素をテンプレート合成時に加えて合成した均一メソ細孔NおよびSドープTiO_2についてX線回折、紫外可視吸収スペクトル、BET比表面積、TiおよびSK吸収端X線吸収微細構造、(XAFS)によりキャラクタリゼーションを行なった。さらに、H_2Sガスと均一メソ細孔TiO_2との表面反応(CVD)によるSドープTiO_2やTiS_2からの水熱合成によりSドープTiO_2ナノチューブを合成した。 硫黄K吸収端ジャンプたより、チオ尿素添加によるS-TiO_2でS含有量は1.7重量%、CVD法によるH_2SからのS-TiO_2では0.48〜0.77重量%と分かった。TiK吸収端XAFS解析により、Ti-S結合が0.2283〜0.244nmに検出された。SK吸収端スペクトルパターンと合わせてTiO_2マトリックス中O原子をSが置換したと分かった。アニオン的Sがドープして存在することが、XAFSにより初めて直接示された。チオ尿素添加によるS-TiO_2では比表面積608m^2/gでメソ細孔径が2.9nmに見られた。H_2SからのS-TiO_2ではCVD時にメソ細孔は崩壊した。 Sドープにより均一メソ細孔TiO_2は紫外光のみでなく可視光も吸収するようになった。バンドギャップ値(2.2〜0.8eV)は、試料中のS含有量と試料中の硫黄分布双方に依存した。可視光照射しながらエタノール酸化反応を行なうと、アニオン的SからTiO_2の伝導帯へ電子励起され、伝導帯で還元反応、硫黄サイト付近で酸化反応が進んだ、と考えられる。還元側のO_2分子からの水生成がSドープにより12倍まで促進されたが、酸化側のアセトアルデヒド生成は2.3倍に止まった。ドープS由来の電子準位の酸化ポテンシャルおよびS自身の反応性に由来すると推定する。一方、水生成はTiO_2の伝導帯が関わるため十分還元ポテンシャルが高く、従来のドープTiO_2より優れていた。
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Research Products
(10 results)