2007 Fiscal Year Annual Research Report
気相合成によって得られる準安定分子の基板上への配列
Project/Area Number |
19550143
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山田 康洋 Tokyo University of Science, 理学部, 教授 (20251407)
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Keywords | 気相クラスターイオン / 質量分析 / 15族元素 / 薄膜 / 磁気構造 |
Research Abstract |
レーザーイオン化質量分析器を用いて、質量スペクトルからクラスターの安定構造について測定した。物質の探索を主目的として、サイズ選択的に得られる安定構造の生成条件を探った。最初に15族元素(SbとBi)の硫化物の生成を試みたところ、アダマンタン構造をとるSb_4S_<10>やBi_4S_<l0>の生成がみられた。このほか、いくつかの分子性の安定構造を反映したクラスターを見出した。現有装置では、ガス凝集法によって気相で分子を合成するが、蒸発源となるルツボを複数個備えたものに改造することにより、蒸気圧の差が大きい元素の組み合わせでも、それらの蒸気を効率よく生成することが可能となった。さらに、ハロゲン化亜鉛についても検討し、亜鉛フッ化物クラスターと亜鉛ヨウ化物クラスターでは生成のパターンが全く異なることを見出した。このパターンの違いを分子軌道計算を用いて考察した。これらの、準安定状態のクラスターの探索と並行して、気相合成した準安定分子を、そのままの微小構造を保ったまま固相に取り出す手法について検討した。既設の装置では、構造を簡略化して広い質量範囲のスペクトルを得ることを目的として、レーザーイオン化と飛行時間型質量分析器を組み合わせて用いているが、本研究の対象となる気相合成した分子の収量を優先させて基板上に捕集する目的のために四重極マスフィルターを用いて、質量選別を行うこととした。現有の装置に合致した四重極マスフィルターを設計・製作し、調整を行った。また、薄膜生成条件を検討する目的で鉄の蒸着を行い、磁気構造の配列についてしらべた。
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