2008 Fiscal Year Annual Research Report
光応答型化合物の水および環境有害物質分解システムの構築とその反応機構の解明
Project/Area Number |
19550149
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
阿部 百合子 Nara Women's University, 理学部, 准教授 (30031701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 孝江 奈良女子大学, 理学部, 准教授 (80201606)
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Keywords | 低環境負荷物質 / 光合成類縁錯体 / 膜・界面 / 可視光応答電池 |
Research Abstract |
光合成は,十数億年前に完成したシステムであり無駄の無いエネルギー変換を行っているが,21世紀に予想される炭酸ガスによる地球温暖化,化石燃料の枯渇によるエネルギー問題,急激な人口増加による食料問題が包含されている反応システムである。本研究は,このシステムから多くの情報を得ることにより,光合成類縁錯体による水を酸化触媒する機能性Mn錯体とPt錯体の開発とそれらを用いたシステムの構築と反応機構の解明を行った。さらに,光合成はチラコイド膜(分子2層膜)に触媒が順序よく埋め込まれていることから,これらの錯体をITO基板上に化学修飾することなく粘土単層膜による無機-有機ハイプリッド多層膜を形成させた電極を作製し,可視光応答型システムによる水および環境有害物質であるETDA・2Na分解システムの構築を行った。以下に得られた結果を示す。(1) Ru(II)-Mn(III)-Co(III)系について,H_2^<18>Oを用い,質量計により発生した酸素を測定して水分解による酸素発生の反応機構を解明した。(2) Mg(II)錯体と電子受容体であるメチルビオローゲンとの間の消光反応機構を解明した。(3)平成19年度は,Pt(II)錯体を合成し,その液晶特性と溶液内挙動を検討した結果,発光する液晶性錯体であることが認められた。20年度は液晶構造の同定を行い,Col_L相であることが分かり,今までに報告を見ないPt-Pt相互作用が存在するCol_L相であることが分かった。(4)合成された錯体をLB膜作製装置により粘土単層無機-有機ハオプリッド多層膜電極を作製し,環境有害物質であるETDA・2Na分解システムの構築を検討した結果,光電流が得られ,ETDA・2Na分解システムの構築がなされた。
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Research Products
(5 results)