2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550150
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
森本 積 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 准教授 (10324972)
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Keywords | 二酸化炭素 / 触媒反応 / 遷移金属 / 有機合成 |
Research Abstract |
本研究では,地球温暖化要因物質の一つで不要な炭素化合物と認識されている二酸化炭素(CO_2)を重要な炭素資源として取り上げ,CO_2の有用物質への新規化学変換法を開発することを目的とした.具体的には,二酸化炭素の還元体であるギ酸を一酸化炭素の代替試薬として利用する非一酸化炭素型カルボニル化法の開発から着手し,ギ酸の製造プロセスを模倣した条件下,すなわち還元条件下で二酸化炭素を利用した非一酸化炭素型カルボニル化法を開発する,ことを目指した. 1. 今年度の検討より,炭素-炭素三重結合と二重結合を併せ持つエンイン類とギ酸を,ロジウム触媒存在下で反応させると,環状ケトン類が得られることを見出した.この化学変換では,ギ酸はあたかも一酸化炭素のように振るまい,非一酸化炭素型環化カルボニル化が進行した. 2. 上記の課題1と並行して,二酸化炭素そのものをカルボニル基供給源として利用する技術の開発も検討した.還元条件下において,1.で用いたエンイン類と二酸化炭素との反応を検討した.その結果,ロジウムホスフィン錯体を触媒として用いることにより,エンイン類の環化カルボニル化が進行した.すなわち,還元条件と触媒を選択することにより,二酸化炭素を一酸化炭素と同等に利用でき,非一酸化炭素型のカルボニル化を実施できることを明らかとした. 今年度得られた上記1.および2.の結果により,二酸化炭素およびその誘導化合物を炭素資源として利用できることを実証できた.反応効率の向上を今後の検討課題とする.
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Research Products
(2 results)