2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550154
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
佐々木 洋 Kinki University, 理工学部, 講師 (70205871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 光伸 近畿大学, 理工学部, 准教授 (20278740)
森本 純司 近畿大学, 理工学部, 教授 (30088471)
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Keywords | 固体分散相 / 無溶媒有機合成反応 / エポキシ化 / ポリタングステン酸 / 不斉合成 / スルホキシド / 光学分割 / オレフィン |
Research Abstract |
本年度は、固体分散相を用いた無溶媒有機合成反応に適した触媒および固体分散相の探索と反応条件の最適化について、オレフィン類の無溶媒エポキシ化反応とスルホキシドの不斉合成反応の活性評価を行った。 オレフィン類の無溶媒エポキシ化反応では、W(=O)2サイトを1分子中に6個有するH2W12O42型触媒が高い活性を示すことはすでに判明しているが、これと同様にW(=O)2サイトを1分子中に6個有するW7O24型触媒(Fig.2 (b))に着目し、合成方法、触媒の活性について検討した。その結果、W7O24型触媒はH2W12O42触媒と同程度の活性を示し、特にCH3NH3+を含有するW7O24型触媒(#7)はH2W12O42型触媒よりも高い活性を示した。 つぎに、スルホキシドの不斉合成反応においては、選択した15種類の光学活性アミン全てについてポリ酸塩触媒を合成することが可能であり、Sulfideの酸化反応活性があることが確認できた。特に(R)-2-Phenylglycineおよび(1S, 2S)-1, 2-Diphenylethylenediamineを出発原料としたポリ酸塩触媒(以下PG, DPEDAと略する)が不斉合成に活性を示した。SulfideからSulfoxide, Sulfoneへの酸化過程において、Sulfoxideの一つの光学異性体が選択的に生成する反応機構として、PGでは速度論的光学分割によると判断した。すなわちPGでは光学活性を持つ対カチオンがSulfoxideの構造を認識し、(R)-PGでは(S)-Sulfoxideの選択性が高まり、(S)-PGでは(R)-Sulfoxideの選択性が高いことも確認された。一方、DPEDAでは対カチオンがポリ酸イオンの活性点に対するSulfideの配向性を決定し、(R)-Sulfoxideが選択的に生成した(収率70%, e.e.=12%)と考えられる。本研究で用いたQ3-nHn [PMo12O40]型触媒では活性点となりうる位置が12か所存在するが、不斉反応を制御する対カチオンは最大3であるためe.e.が低いと考えた。
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Research Products
(9 results)