2007 Fiscal Year Annual Research Report
乾式法によるホタテ貝殻セラミックス薄膜の作製とその水質浄化機能に関する研究
Project/Area Number |
19550155
|
Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
古崎 睦 Asahikawa National College of Technology, 物質化学工学科, 教授 (40280317)
|
Keywords | ホタテ貝殻 / 廃棄物再資源化 / 環境材料 |
Research Abstract |
本研究は、北海道道北地方において大量に排出・廃棄されている「ホタテ貝殻」の有効利用を目指し、(1)様々な基板・基質上に貝殻焼成物の薄膜を形成する技術を確立する、(2)調製した材料を水質浄化材として応用し、その浄化能および浄化メカニズムを検討する、(3)さらに、ホタテ貝殻焼成物を道北地方の牧草地排水路へ適用し、その効果を検証する、というものである。 実施1年目の昨年度は、研究の遂行に不可欠な「小型高周波スパッタリング装置」を購入したが、その納期が大幅に遅れたため、未だ酸化カルシウム薄膜の最適製膜条件を見つけるには至っていない。そこで、荒粉砕した小片状の貝殻(未焼成・1000℃焼成)をナイロン製網に入れ、それを予め初期値を設定した約60Lの模擬汚染水槽中に投入・浸漬して、CODおよびアンモニアに対する浄化作用を検討した。 その結果、60ppm-COD模擬汚染水に対して未焼成貝殻はほとんど低減能を持たないが、1000℃で1時間焼成を行ったもの(主成分は酸化カルシウム+水酸化カルシウム)は顕著な低減効果を示すことが明らかとなった。つまり、(1)COD値は焼成貝殻の投入直後から減少し始め、その速度・減少量は投入量が多いほど大きいこと、(2)約20時間を過ぎると減少は底打ちとなること、(3)COD源として酢、醤油および洗剤を用いたが、いずれに対しても同様の浄化挙動を示すこと、が確認された。 また、焼成貝殻は約5ppm-アンモニア模擬汚染水に対しても明確な低減効果を示した。1kgの投入により、6時間後のアンモニア濃度は約40%まで減少した。しかし、CODの場合と同様、それ以降の減少傾向は底打ちとなり、再びアンモニア水を添加しても、もはや顕著な減少挙動は見られなかった。 現在、上述した酸化カルシウム薄膜の最適製膜条件を探るとともに、COD・アンモニアに対する低減挙動について、そのメカニズムを検討している。
|
Research Products
(1 results)