2007 Fiscal Year Annual Research Report
バイオポリエステルと分解菌のリアルタイム相互作用解析
Project/Area Number |
19550156
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山下 宏一 The Institute of Physical and Chemical Research, 化学分析チーム, 専任研究員 (90174672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平石 知裕 独立行政法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 研究員 (20321804)
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Keywords | 生分解性ポリエステル / QCM / 分解菌 / 大腸菌 / 吸着 |
Research Abstract |
バイオポリエステルの生分解において、分解菌を培養しながらの分解菌接着および基質分解の重量分析をリアルタイムで可能にするために,菌培養槽と水晶発振子マイクロバランス(QCM)を組み合わせた循環システムを開発した.撹拌式培養槽から菌体を含む液体培地を、ポリエステルフィルムを装着したQCMフローセルに循環させるため、循環用配管を有する培養槽と菌体を含む液体培地をスムーズに流して安定したシグナルを得るためのQCMフローセルを新たに試作した。これらを、ペリスタポンプを介して接続し、菌体を含まない溶液を用いて循環測定系の安定性評価と改良を行った。 操作性が良く特性も明らかな大腸菌を、開発中の培養解析システムを評価するための標準試料として用いるための基本情報を収集することを目的として、従来からタンパク質とバイオポリエステルとの相互作用評価に使用してきたQCMセルを使用して、バッチ式で大腸菌とバイオポリエステルとの相互作用評価を試みた.その結果、菌体の吸着によるフィルム重量の増加とフィルム表面の粘弾性変化を同時観測することに成功した.さらに、破砕菌体の膜画分を用いた場合には、相互作用が促進されて吸着量が増大することを見出した. また,分解菌の作用を単純なモデル化により理解することを目的として、大腸菌の表面にPHA分解酵素を導入した遺伝子組み換え菌を作製した。具体的には、膜タンパク質の先端にリンカーを介してPHA分解酵素を導入し,さらに酵素の自由度を制御するためにリンカー長の異なる菌の作成にも成功した.
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