2007 Fiscal Year Annual Research Report
カリックスアレーン被覆による水溶性半導体量子ドットを基盤とした蛍光プローブの開発
Project/Area Number |
19550157
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神 隆 Osaka University, 免疫学フロンティア研究センター, 特任教授 (80206367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 政孝 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (70177971)
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Keywords | カリックスアレーン / 半導体量子ドッド / 蛍光 / プローブ / 表面被覆 / 水溶化 |
Research Abstract |
当該年度における研究成果の第1は、両親媒性のチアカリックスアレーンカルボン酸誘導体を表面被覆剤として、高輝度な水溶性CdSe/ZnS量子ドット(量子収率21%)の合成をおこない、銅イオンに対する新規蛍光プローブを開発したことである。一般に水溶性半導体量子ドットの蛍光は、pHやイオン強度などその周りの化学的環境にあまり影響されないといわれてきた。しかし、量子ドット表面を銅などの遷移金属イオンに錯形成能をもつチアカリックスアレーンカルボン酸誘導体で被覆することにより、優れた銅イオン蛍光センサーとして機能することを見出した。チアカリックスアレーン被覆CdSe/ZnS量子ドットの蛍光は、10^<-6>M程度の銅イオン存在下で鋭敏に消光することが明らかとなった。遷移金属イオンに対する消光は、Cu^<2+>>>Fe^<3+>,Fe^<2+>,Co^<2+>>Zn^<2+>,Cd^<2+>の順であり、銅イオン選択性が極めて高いことがわかった。また、その蛍光消光は、チアカリックスアレーンを介した量子ドット表面への銅イオンの吸着によることが明らかとなった。第2の研究成果は、カリックスアレーン被覆水溶性量子ドットにおける親水性表面の安定化である。表面に配向しているカリックスアレーンをその分子のカルボン酸とリジンのアミノ基とでクロスカップロングにより長期間安定な水溶性量子ドットの作製に成功した。これまでカリックスアレーン被覆量子ドットでは、カリックスアレーン分子が量子ドット表面に疎水性相互作用によって結合されていたが、分子間を連結することにより表面被覆層の安定化が実現した。これにより、抗体やリガンドを量子ドット表面に修飾したバイオプローブへの応用に道が開けた。
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Research Products
(2 results)