2008 Fiscal Year Annual Research Report
カリックスアレーン被覆による水溶性半導体量子ドットを基盤とした蛍光プローブの開発
Project/Area Number |
19550157
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神 隆 Osaka University, 免疫学フロンティア研究センター, 特任教授 (80206367)
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Keywords | カリックスアレーン / 半導体量子ドット / 蛍光 / プローブ / 表面修飾 / 水溶化 |
Research Abstract |
ホットソープ法(コロイド法)によるナノ粒子の化学合成法の進歩により、今や高輝度な半導体量子ドットを実験室で容易に手に入れる事が可能となった。コアーシェル構造を有するCdSe/ZnS量子ドットでは有機溶媒中での量子収率は、30%以上である。また、CdZnSのような合金型のシェル構造を形成させる事によってはさらに量子収率を改善する事が可能である。しかし、このような高輝度量子ドットは一般に有機系の配位化合物に被覆されているため水には不溶である。バイオプローブとし応用するには、量子ドット表面を化学修飾して親水性にしなければならない。ただし、一般的に用いられているメルカプト酢酸やメルカプトデカン酸などのモノチオール系の被覆剤を用いて量子ドットを水溶化した場合には著し輝度の低下をもたらす。また、このようにして得られた水溶性量子ドットのもう一つの欠点として水中での分散安定性の低さがあげられる。本年度は、分散安定性が良い高輝度な水溶性量子ドットを作製するための新しい表面被覆剤の開発をおこなった。この方法は、天然に存在するトリペプッチドであるグルタチオンを表面被覆剤として使用するもので、生体毒性もなく極めて容易に半導体量子ドットを水溶化できる利点をもっている。この方法を用いて生体イメージング用の高輝度近赤外水溶性量子ドットを合成した(論文2及び特許出願)。 また、グルタチオンのアミノ基にガドリニウム錯体を結合させる事によって光イメージングおよびMRI両方に使えるデュアルモーダル半導体量子ドットの開発に成功した(論文1及び特許出願)。
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Research Products
(5 results)