2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550162
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 俊樹 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (70171775)
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Keywords | デノボデザイン / コイルドコイル / 金属イオン結合 / 金属イオン配位構造 / ITC / 熱安定性 |
Research Abstract |
4つのα-ヘリックス構造から成るヘリカルバンドル型のタンパク質を作成した。天然酵素は,通常とは異なったゆがんだ配位構造を持ち,機能に大事である。先す,この疎水部に金属イオンの結合部位を作成した。天然のタンパク質中の金属結合部位を参考に,3つのHis残基を配置した。ゆがんだ配位構造を作るため,もう一つのアミノ酸残基を側鎖の長さの異なるアスパラギン酸あるいはグルタミン酸とした2種類のタンパク質を設計した。合成したタンパク質は,いずれもα-ヘリックス構造を示し,金属イオンの有無により変化はなかった,熱安定性を調べたところ,Znイオンの添加で2種のタンパク質は同程度の安定化を示した。一方,銅イオンを添加した場合,アスパラギン酸を入れたタンパグ質はわずかしか安定化を示さなかったが,グルタミン酸を加えたタンパク質はかなり安定になった。ZnあるいはCuイオンのこれらのタンパク質の結合定数をITCを用いて測定した。その結果,Znイオンはいずれのタンパク質でも6-8μMの値を示したが,Cuイオンはアスパラギン酸の入ったタンパク質では12μM,グルタミン酸の入ったタンパク質では1μMを示した。これらのことは,Cuイオンは2種のタンパク質に結合するが,Cuイオンの配位構造に違いがあることを示唆している。Cuイオンの配位を調べるために,ESR測定を行なった。その結果,Aパラレルの値が,アスパラギン酸を入れたタンパク質では約17.5mTであり,グルタミン酸を入れたタンパク質では約15.5mTであった。このことより,前者では銅イオンは平面4配位構造を取っているが,後者ではゆがんだ平面4配位構造であることがわかった。どの程度ゆがんでいるかを理論計算によって求めたところ,平面より,約20度の歪みがあることがわかった。さらにCuイオンの歪みと酸化還元電位に違いが有るか否化をCV測定を行なったが,違いは見られなかった。活性に違いを見るにはさらに,Cuイオンの配位構造をゆがめるなどの工夫が必要と考えられる。
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Research Products
(5 results)