2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550162
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 俊樹 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (70171775)
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Keywords | デノボデザイン / コイルドコイル / 金属イオン結合 / 金属イオン配位構造 / ESR |
Research Abstract |
人工的に機能を持つタンパク質の構築が興味を持たれているが、非常に難しい課題であり成功例はほとんどない。一般に、天然に存在する金属タンパク質は通常とは異なった金属配位構造を有していることが知られている。従って、歪んだより金属イオンの配位構造を設計し構築することは、金属タンパク質の機能を作るうえで重要である。しかし、今までに歪んだ配位構造を持った金属イオンの設計の報告はない。昨年度は銅イオンを4-ヘリックスバンドルタンパク質の疎水場に入れわずかにゆがんだ平面四配位構造を作ることに成功した。今年度は、さらにもっと歪んだ銅イオンの配位構造を持つブルー銅タンパク質の設計を行った。その結果、UV、ESRなどの物理化学的性質が天然のブルー銅タンパク質と同様なタンパク質が合成できた。この場合、銅イオンは通常の平面四配位構造からピラミダルの配位になっている。このような配位構造の構築に世界で初めて成功した。現在その配位構造を確かめるために結晶化も試みている。一方、同じ4-ヘリックスバンドルタンパク質の疎水場に1〜4個のHis残基を配したタンパク質を作成し、p-ニトロフェニルアセテートの加水分解を調べたところ、複数のHis残基がある場合、わずかながら加水分解機能が見られた。また2個のHis残基が一般酸塩基触媒として働いていることが示唆された。歪んだ配位構造を持つ金属イオンの設計方法の基礎ができたので、基質結合部位の設計と合わせることでさらに機能の向上が見込まれる。
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Research Products
(5 results)