2007 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光プローブによる機能性RNAの細胞内リアルタイム検出ならびに制御法の開発
Project/Area Number |
19550164
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 章 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (60210001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堀 哲生 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (00397605)
山吉 麻子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (70380532)
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Keywords | バイオテクノロジー / 遺伝子 / 核酸 / RNAプローブ / トランスクリプトーム / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
細胞内でDNAから転写されるRNAはmRNA、tRNA、rRNAの他に、相当量のnon-codingRNA (ncRNA)が存在することが明らかにされている。ncRNAは発生や細胞の分化に重要な役割を果たすなど、生命の根幹にかかわる物質として今後の生命関連科学の重要なターゲットである。従って、細胞内の特定のRNAを検出し、その生体における機能を解析し、最終的にはその機能の抑制や促進を行うことは、がんや原因が特定できていない疾患の発症機構解明や治療、さらには再生医療につながる重要な課題である。本申請研究は生細胞内RNAのリアルタイム検出とその情報に基づくRNA機能制御原理の確立を目的とする。研究は3側面から実施した。【1】RNA特異的RNAプローブの分子設計:対象RNAの配列情報から、代表者らが開発したRNA2次構造予測ソフトを用いて対象RNA中の1本鎖領域を予測し、RNAプローブの配列を決め、ピレンを持つヌクレオシドを導入したRNAプローブを化学合成した。【2】蛍光RNAプローブの蛍光特性評価:同プローブを用い、均一水溶液中で特定のmRNA検出を試み、高感度、高精度で対象RNAの検出に成功した。【3】細胞内在性RNAの検出:培養ガン細胞をモデルとし、外部刺激に応答する遺伝子群(c-fos,c-jun)mRNAを同プローブにより検出することを試みた。その結果、外部に応答する形で産生されるRNAの検出に成功した。以上の結果は代表者らが開発した蛍光性RNAプローブが細胞内在性RNAをリアルタイムにモニターすることができること、言い換えればトランスクリプトーム解析が可能であることを示唆している。
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