2008 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光プローブによる機能性RNAの細胞内リアルタイム検出ならびに制御法の開発
Project/Area Number |
19550164
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 章 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (60210001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堀 哲生 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (00397605)
山吉 麻子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (70380532)
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Keywords | バイオテクノロジー / 遺伝子 / 核酸 / 細胞・組織 / RNAプローブ |
Research Abstract |
機能性RNAとしてのmRNAやnon-codingRNAは、生命現象維持に深く関わっている。特定の機能性RNAの検出、機能解析、最終的には機能制御を行うことは、難治性疾患の発症機構解明や治療に繋がる重要な課題である。本研究では機能性RNAのリアルタイム検出並びにアンチセンス法によるRNA機能制御原理の確立を目的とした。RNA特異的検出プローブとしてRNAプローブ並びに光感応性アンチセンス核酸(Ps-oligo)を開発し、生細胞内ならびにショウジョウバエ初期胚内のRNA検出ならびに、Ps-oligoによるRNA機能制御を実施し、以下の結果を得た。(1)生細胞内を用いたRNAのリアルタイムイメージング:刺激初期応答遺伝子であるc-fosを対象としたRNAプローブを作製し、c-fos-mRNAの発現のリアルタイム検出を試みた。結果、細胞質からのプローブ由来の蛍光が時間と共に増減する像が得られ、細胞内の遺伝子発現カスケードのリアルタイム解析が可能であることが示された。(2)初期胚を用いたRNAモニタリング:ショウジョウバエ初期胚の位置特異的発現遺伝子Kruppel-mRNAを対象とし、RNAプローブによる検出を試みた。産卵後数時間の胚を集め固定化し、対象mRNAの検出を試みた。結果、固定化胚の特定位置からプローブ由来の蛍光を認め、初期胚中のRNAが検出されたことが示唆された。(3)点変異を有するがん細胞の増殖制御:変異遺伝子の発現を特異的に制御する手法の確立を試みた。K-ras遺伝子の点変異(GGU→GUU)部位に対応するPs-oligoを作製し、変異部位を有する組換えNIH/3T3-K12V株に対する増殖制御能を検討した。結果、増殖率、K-rasならびにCyclin-D1-mRNA量は顕著に減少し、Ps-oligoは点変異遺伝子に有効な分子標的医薬となる可能性が示された。
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