2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミメテックプローブによるN末端メチオニン認識機構の解明と生体防御への応用
Project/Area Number |
19550167
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
長田 聡史 Saga University, 理工学部, 助教 (50284609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 浩明 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (80205418)
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Keywords | 生理活性ペプチド / 非天然アミノ酸 / アンタゴニスト |
Research Abstract |
Boc-Met-Leu-Phe-OH(fMLP)誘導体のアンタゴニスト能評価:ヒトにおける生体防御機構として好中球はバクテリア由来ホルミルメチオニンを認識する。ホルミルメチオニン含有ペプチドであるfor-Met-Leu-Phe-OH(fMLP)の末端ホルミル基を嵩高いBoc基で置換した化合物はアンタゴニスト能を示す事が知られている。さらなる構造的知見を得るためN末端に有機合成で用いられる含ハロゲン保護基であるTroc基とより嵩高い脂肪族保護基であるTeoc基を導入した誘導体を合成し、アンタゴニスト能の評価を行ったところ、Boc保護基に比べて明確なアンタゴニスト作用を示す事が明らかとなった。またTeoc基の利用により、予想していたより嵩高くても作用可能な事がわかり、アンタゴニスト設計においてこの位置での化学修飾は寛容であると判断した。 末端メチル基排除メチオニンミメティックの合成:タンパク質中に出現する数あるアミノ酸の中でも単一コドンのアミノ酸であるメチオニンが開始コドンとして機能している。単純な側鎖ながらチオエーテル鎖を分子認識することが示唆され、その認識機構に興味が持たれる。反応不活性なジフルオロメチレン基をイオウミメティックとして末端メチル基を排除した誘導体をデザインし、合成を試みた。しかしながら、合成過程において求核性フッ素導入試薬の反応性の高さにより、保護アミノ酸誘導体が分解し、導入効率が極めて低い結果となった。ジフルオロメチレン基誘導体については合成手法をさらに検討中である。平行して末端メチル基を排除したモデル化合物としてイオウのサイズに近いクロロ基を導入したクロロエチルグリシンを再設計し、光学活性体を合成した。得られたアミノ酸はペプチドとして導入し、fMLP誘導体のアゴニスト能ならびに合成中間体として得られたBoc誘導体のアンタゴニスト能の評価を行う予定である。
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