2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550178
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
千住 孝俊 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 特別研究教員 (70322097)
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Keywords | 電子写真感光体 / 有機半導体 / 光電導 / 構造解析 |
Research Abstract |
コピー機やレーザープリンターの画像形成部、いわゆるドラムには電子写真感光体として有機感光体が数多く用いられている。本研究においては、これらの有機感光体の高い電子写真特性の発現理由を結晶構造を明らかとすることにより解明することを第一の目的としている。 2カ年の研究計画の初年度である平成19年度においては、まず、最も性能が高く、多数の製品で用いられているチタニルフタロシアニンの電子写真特性を解明することを主目的として、その単結晶の育成条件の最適化に取り組んだ。 これまで多くの研究者が電子写真特性を示すY型の単結晶育成に取り組んでいるが未だ成功例は無い。我々はY型が水を含むという熱分析の結果を重視し、水を少量含む有機溶剤からの再結晶法による結晶育成を試みた。マグネシウムフタロシアニンにおいては水分子がマグネシウムに配位した5配位錯体を与えることが以前に報告されていることから、水は単なる結晶水として結晶中に含まれるのではなく中心金属のチタンに配位しているものと推定している。現在までのところ、溶媒、温度条件、水分量などの種々のパラメータを様々に変化させながらY型の育成条件を探索しているが、主に得られるのはI型ならびにII型という電子写真感光体では用いられていない結晶相であることが明らかとなっている。今後、感光体の製造プロセスを参考に、I型ならびにII型からY型への変換についてもあわせて検討を重ねる予定である。 一方、置換基の種類により様々に電子写真特性が変化することが知られているベンジルイミドペリレン化合物について7つの誘導体の結晶構造を解析することができた。このうちの5種はこれまでに報告がなされているものであったが、残りの2種は今回初めて構造解析に成功した。これらの固体スペクトルを測定し、分子配列と電子構造の相関について現在検討を進めている。
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Research Products
(7 results)