2008 Fiscal Year Annual Research Report
ガスデポジション法を用いたリチウム二次電池合金負極の創製
Project/Area Number |
19550179
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
坂口 裕樹 Tottori University, 工学研究科, 教授 (00202086)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 貴久 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (10367138)
|
Keywords | 二次電池 / リチウム電池 / 負極材料 / 合金 / ガスデポジション |
Research Abstract |
ケイ素は,現在実用化されている炭素材料よりも大きな充放電容量を持つ反面サイクル寿命が乏しい.一方,LaGe_2は容量は小さいものの,非常に優れたサイクル安定性を示すことが見出された,そこで,両者のコンポジット厚膜電極を作製することにより,それぞれの長所を併せ持った電気化学的特性を有する電極が得られるのではないかと考えた.本研究では,基板一活物質問および活物質同士を強く密着させることができるガスデポジション(GD)法を用いて,LaGe_2/Siコンポジット厚膜電極を作製し,その電気化学的特性を評価した。 GD法により作製したLaGe_2/SiコンポジットGD膜電極の放電容量(Li脱離)のサイクル依存性をケイ素およびLaGe_2の単独電極の結果と比較したところ,コンポジット電極は所期の目的どおり,ケイ素由来の高容量にLaGe_2の優れたサイクル安定性が付与された電極であることがわかった.LaGe_2/Siの混合比について検討したところ,LaGe_2:Si=5:5(重量比)の際に最も優れた電極性能を示した.その放電容量は1000サイクルを経ても実用化されている炭素系電極の理論容量を上回るものであり,この電極は次世代のリチウム二次電池の負極として極めて有望であることがわかった. 活物質層中のLaGe_2とケイ素の分布を調べるためにエネルギー分散型X線分析(EDX)を行ったところ,ケイ素粒子を取り囲むようにLaGe_2層が存在していることが示された.LaGe_2層がケイ素粒子の体積膨張による応力を緩和し電極の崩壊を抑制した結果,サイクル安定性の向上が達成できたものと考えられる.特にLaGe_2に対するSiの混合比が5対5の電極においてはLaGe_2層の中にケイ素粒子が均一に分散していることが確認できた.最も優れた電極性能が得られたのはこのためと思われる
|