2007 Fiscal Year Annual Research Report
ダイレクトナノインプリントによる高規則化ポーラスシリコンの作製と機能材料への展開
Project/Area Number |
19550180
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西尾 和之 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 准教授 (00315756)
|
Keywords | ナノ細孔配列 / ナノインプリント / 電池 |
Research Abstract |
充放電サイクルによるナノポーラスシリコンの形状変化の確認 ダイレクトナノインプリント手法にもとづき,細孔径約130nm,細孔深さ約1μm,細孔周期200nmの高規則化ナノポーラスシリコンを作製した.これを作用極とし,リチウム箔を対極及び参照極,過塩素酸リチウムを電解質とした0.0〜1.5Vでのサイクリックボルタモグラムにより,高規則化ナノポーラスシリコンを負極としたリチウムイオン二次電池の充放電の特性を確認した.はじめに充放電を5サイクル実施したところ,サイクル数の増加に従い,充放電容量が序々に増大していくことがわかった.更に,5サイクル実施後でも,高規則性のナノポーラス構造が維持されていた.同じ条件で充放電サイクルを50回繰り返したところ,容量は更に増大し,サイクル開始時のほぼ2倍となった.この試料の構造を電子顕微鏡により観察したところ,細孔径が大きくなり,細孔の形状は方位の定まらない歪んだ楕円形となったが,200nm周期の細孔の配列は維持されていることが確認された.試料の破断面の電子顕微鏡観察から,細孔底部の形状が明確に観察され,シリコンへのリチウムの挿入・脱離がポーラス構造の部分のみで行われたことがわかった.シリコンを負極としたリチウムイオン二次電池は,理論容量が現行の炭素材料と比較して10倍程度となるものの,充放電の繰り返しに伴う微粉化により容量が得られないことが問題となっている.本研究で得られた高規則化ナノポーラスシリコンは,微粉化が抑えられ,高い充放電容量を示す事がわかった.また,結晶方位が制御されたアルミニウム箔を用いた異方性エッチングにより,トンネルピットの高規則配列の形成が可能であることもわかった.
|
Research Products
(7 results)