2008 Fiscal Year Annual Research Report
ダイレクトナノインプリントによる高規則化ポーラスシリコンの作製と機能材料への展開
Project/Area Number |
19550180
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西尾 和之 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 准教授 (00315756)
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Keywords | ポーラスシリコン / 電解エッチング / ナノインプリント / リチウムイオン二次電池 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度の成果にもとづき,高規則ナノポーラスシリコンの微細化を進め,リチウムイオン二次電池用電極特性の向上を目指した.しかし,細孔周期の微細化に従い,シリコンへのダイレクトナノインプリントが困難となることがわかった.そこで,当初の研究計画を改め,ダイレクトナノインプリントを回避した高規則ナノポーラスシリコンの作製プロセスについて検討を進めた.その結果,規則細孔配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナをシリコンの表面に固定し,これをマスクとしてドライエッチングを行うことにより,ポーラスアルミナの規則細孔配列に対応した窪みの配列をシリコンの表面に形成することができた.この窪みは,ダイレクトナノインプリントにより得られる窪みと比較して浅かったものの,シリコンの電解エッチング時に細孔形成の起点として機能し,高密度高規則配列のナノポーラスシリコンを形成できることが確認された,この手法により,細孔周期100nmの高規則ナノポーラスシリコンを作製し,リチウムイオンの充放電特性を測定したところ,単位面積当たりの充放電容量は細孔周期200nmとほぼ同等であったが,充放電の繰り返しによる細孔径状の歪みが抑えられることがわかった.シリコンを負極としたリチウムイオン二次電池は,現行の10倍以上の理論容量を有するものの,シリコンの微粉化によるサイクル特性の劣化のために実用化に至っていない.本研究で得られた結果は,シリコンのみを電極材料とし,かつサイクル特性の劣化を大幅に抑える高容量型のリチウムイオン二次次電池の負極材料としての利用が期待される.このほか,アルミニウム箔を用いた電解エッチングでは,任意の開口形状を有する高アスペクト比のピットを形成可能であることが見出された.
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Research Products
(6 results)