2007 Fiscal Year Annual Research Report
縮環系有機半導体を基盤とする高機能有機トランジスタの開発
Project/Area Number |
19550181
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
功刀 義人 Tokai University, 工学部, 准教授 (90243518)
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Keywords | 有機トランジスタ / 縮環系有機半導体 / 有機トランジスタ材料 |
Research Abstract |
本年度は初年度であるため、新規トランジスタ材料の開発を重点的に行った。 縮環系可溶性材料の開発 インクジェットなどの印刷技術を用いて有機トランジスタ素子を作製可能にするためには、高性能な印刷塗布型のトランジスタ材料の開発が不可欠である。重カルコゲン原子を含む縮環系π共役化合物を基盤に、可溶性基を導入した化合物群を開発した。本年度は高分子系ではなく、低分子系の可溶性トランジスタ材料を開発した。また、可溶性基と共に、電子吸引性基を導入することで、印刷・塗布可能なπチャンネルトランジスタ材料の開発にも成功した。 縮環系蒸着・単結晶材料の開発 実用面では印刷・塗布系の材料の開発が望まれているが、基礎を理解するためや学術的観点からは、蒸着・単結晶系の低分子化合物の研究も必要である。2つ又は3つのπ共役オリゴマーをケイ素で架橋したσ-π共役系のトランジスタ材料の開発を行った。他に例のないユニークな化合物群であり、次年度以降、光応答性のトランジスタ材料として試験を行う予定である。また、ペンタセン誘導体についても液晶基を導入したものについて複数個新規トランジスタ材料を開発した。気相法により単結晶(数mm)になることも確認しており、単結晶トランジスタへの展開を行っている。 次年度は、上記化合物のデバイス特性を精査し、さらなる高性能材料開発への指針とする。
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