2009 Fiscal Year Annual Research Report
縮環系有機半導体を基盤とする高機能有機トランジスタの開発
Project/Area Number |
19550181
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
功刀 義人 Tokai University, 工学部, 准教授 (90243518)
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Keywords | 有機トランジスタ / 縮環系有機半導体 / 有機トランジスタ材料 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の最終年度であるため、昨年度までに開発した材料群の評価を踏まえ、新規有機トランジスタ材料の開発と素子開発を行い3年間の総括を行った。 (I)材料開発 (1)アセン系有機半導体:昨年度までの研究で優秀であると評価された、クリセンなどの代表的アセン系構造を中心骨格に据え、周辺置換基としても共役環状基などを導入した化合物群の開発を行い、単結晶用材料の他にも塗布用のトランジスタ材料の開発を行った。 (2)含ヘテロ縮環系化合物:チエノチオフェンの中心骨格の拡張や種々の異性体の検討を行った。印刷用材料として数種類の可溶性・液晶性材料の開発に成功したと共に、n型の含ヘテロ縮環系化合物も新たに開発した。 (II)デバイス化・評価 (1)分子配列制御:有機トランジスタの性能向上には、素子上でのトランジスタ材料の分子配列制御が極めて重要となる。本年度は「延伸」の手法を用いトランジスタ材料の配列制御を行った。ポリマーフィルムを保持材料としその上にトランジスタ材料を塗布・延伸することにより分子配列制御をおこなうことに成功した。配列制御をおこなうことにより数倍の移動度の向上が確認された。 (2)デバイス開発:上記(I)で開発した化合物群について実際にトランジスタ素子を作製し、キャリア移動度、応答速度、大気安定性などのトランジスタ特性の評価を行った。単結晶素子で移動度が2cm^2/Vsを超える極めて優秀な有機トランジスタの開発に成功した。
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