2008 Fiscal Year Annual Research Report
横結合型色変換方式を用いた照明用高効率白色有機EL素子とその光学理論の研究
Project/Area Number |
19550182
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
三上 明義 Kanazawa Institute of Technology, 工学部, 教授 (70319036)
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Keywords | 有機EL / ディスプレイ / 電子・電気材料 / 光物性 / シミュレーション / 照明 / 量子効率 / 色変換 |
Research Abstract |
本研究では光学的視点から白色有機ELの高効率化を目指し、(1)基礎検討、(2)展開研究、(3)応用研究の順に約3年間の計画を推進している。今年度は青色燐光材料と色変換材料を組合せた白色有機ELの高効率化を図ると共に、複数の光学理論を統合化した独自の解析手法を提案し、燐光有機ELの更なる高効率化を検討した。得られた研究成果は以下のようである。 (1)二波長型白色有機ELの高性能化 昨年度に開発した青色燐光材料と横結合型色変換方式を組み合わせ、同時に薄膜設計に基づく弱いマイクロキャビティ効果を導入した白色有機ELを試作した。発光特性の積層構造依存性から、有機材料、膜厚構成、作製技術などを最適化した結果、発光開始電圧3.7V、発光効率39-1m/W、外部量子効率19%、色度座標(0.29,0.41)の青白色発光が得られた。 (2)マルチスケール光学解析手法の開発と有機EL構造への適用 光学解析の高精度化を図るため、電磁光学、波動光学、光線光学を統合化したマルチスケール光学解析手法の基本アルゴリズムを開発し、光学モード計算を実施した。薄膜構造の最適化により、外部量子効率は約35%まで向上し、基板や封止層を含めた光学定数の最適化により、従来比2倍以上の高効率化が可能であることを計算により明らかにした。 (3)高屈折率基板を利用した燐光有機ELの高効率化および光学解析 前述(2)の光学計算に基づき、低分子系燐光有機EL(緑色)に高屈折率基板および光取り出し層を組合せた独自の有機EL構造を試作し、発光効率210-1m/W、外部量子効率57%の高効率が得られた。この値は従来比約2.3倍であり、最終年度の目標達成に有効な要素技術と考えられる。
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Research Products
(16 results)