2007 Fiscal Year Annual Research Report
螺旋構造を持つ有機半導体の有機半導体レーザーへの応用
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19550183
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舟橋 正浩 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (90262287)
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Keywords | 液晶 / コレステリック / 有機半導体 / 半導体レーザー / 螺旋構造 |
Research Abstract |
室温付近でコレステリックガラス相を示すオリゴチオフェン誘導体の合成を検討した。キラル部位として、ビナフチル、イソソルビドを有する二量体型オリゴチオフェン誘導体を合成し、これらの物質が室温付近でコレステリックガラス相を示すこと、スピンコート法により薄膜形成が可能であることが明らかとなった。 また、これらの液晶材料の発光特性、電荷輸送特性を検討した。これらのキラルオリゴチオフェン誘導体はコレステリック相において、10^<-5>cm^2/Vs程度のホール・電子移動度を示した。この値は有機アモルファス半導体と同程度であった。電気伝導に関与するオリゴチオフェン部位がさらに密にパッキングするよう、更なる分子構造の最適化を検討する必要がある。 選択反射バンドは、これらのコレステリック液晶にアキラルなオリゴチオフェン誘導体を混合することにより400nmの青領域から700nmの赤領域まで容易に変調できた。これらの物質の蛍光スペクトルが選択反射バンドと重なる場合には円偏光蛍光が観測された。円偏光二色比は最大で5に達した。また、蛍光スペクトルが選択反射バンドと重ならない場合は、選択反射バンドの低エネルギー側のエッジで蛍光スペクトルの変形が起こった。蛍光スペクトルのピークが反射バンドの低エネルギーが得和のエッジに重なるように、液晶材料の混合比を調整して光励起を行ったところ、蛍光スペクトルの変形が起こり、反射バンド端での若干の光増幅が見られた。
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