2007 Fiscal Year Annual Research Report
光異性化反応による水素結合制御型ソフトリソグラフィー
Project/Area Number |
19550184
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高原 茂 Chiba University, 大学院・融合科学研究科, 准教授 (90272343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 勝義 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 教授 (50192737)
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Keywords | リソグラフィー / 光パターニング / 光異性化 |
Research Abstract |
ビリルビンの光異性化反応を用いた穏やかなフォトリソグラフィープロセスの可能性を探ることを,本研究の目的とし,本年度の主な課題である薄膜において分子内水素結合の光制御によるフォトリソグラフィーは可能か?について成膜方法や緩衝溶液による現像条件を検討した後,以下の結果を得た。 1.窒素下と空気下のビリルビン薄膜の光反応をフーリエ赤外吸収スペクトロフォトメーター,高速液体クロマトグラフィー装置などにより追跡し,窒素下ではビリルビン分子の光異性化とそれに引き続く水素結合の解離のみが起きることを確かめ,この研究課題の概念の基本的実証がなされた。 2.空気下では,光異性化とともに光酸化反応が起きていることがこれらの観測から推測され,これらは,これまで膜中では明らかにされていなかった反応である。 3.どちらの場合も光パターニングが可能であるが,従来の密着露光の条件(減圧下)では窒素下の条件に近く,従来の技術でもこの機構によるパターニングが簡単に応用可能と位置づけられる。 4.また,この反応プロセスによりセルロースなどの上にも光パターニングが可能であることを示した。 ビリルビン薄膜では,感度が実用的なリソグラフィー材料よりも3桁以上低いことが明らかになったので,次の主課題である分子内水素結合の光制御のプロセスには,有機工業材料として有用な特長を見出せるのか?に向かっては,酵素や生体材料の直接光パターニングの検証などとともに分子間水素結合の制御による化学増幅の機構や増感機構を取り入れる必要性が明確になった。
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Research Products
(2 results)