2007 Fiscal Year Annual Research Report
フレキシブル酸化亜鉛色素増感太陽電池用インドリントリプルロダニン色素の開発
Project/Area Number |
19550185
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松居 正樹 Gifu University, 工学部, 教授 (60108058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕浦 秀樹 岐阜大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40021612)
吉田 司 岐阜大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90273127)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 色素増感太陽電池 / 増感剤 / インドリン色素 / 置換基効果 / アンカー基 / ロダニン |
Research Abstract |
今年度は、ダブルロダニンインドリン色素をトリプルロダニンに誘導体化するため、基本となるインドリン色素のいくつかの置換基が、どのように増感性能に影響するかについて調べた。以下に得られた結果を示す。 1、アンカー基となるカルボキシアルキル基の種類の検討:カルボキシプロピル基、カルボキシエチル基、カルボキシメチル基をダブルロダニンの内側のロダニン部位に導入した。その結果、カルボキシメチル基が最も高い変換効率を示した。これはその高いJscに起因することがわかった。スルーボンドによる電子移動がより容易になるためと考えられた。 2、カルボキシメチル基の導入位置と数の検討:カルボキシメチル基をインドリン環部位、ダブルロダニン部位の内側、外側に導入した。その結果、ダブルロダニン部位の内側に置換させることで、最も高い変換効率が得られた。予想通り、電子求引部位へのアンカー基導入が高い変換効率を与えた。ダブルロダニン部位の内側と外側では大きな差はなかったが、内側のほうがやや変換効率が高かった。ダブルロダニン部位の両方にカルボキシメチル基を導入すると変換効率が低下した。 3、末端ロダニン部位へのアルキル基導入の検討:内側のダブルロダニン部位をカルボキシメチル基に固定し、外側のロダニン環の窒素上の置換基を基本となるエチル基から、ブチル基、イソブチル基、ベンジル基、3,5-ジ-t-ブチルベンジル基に変化させた。この置換基が嵩高くなると共吸着剤の添加効果が低くなることと酸化亜鉛上の紫外・可視吸収スペクトルから、嵩高い置換基が色素の凝集の割合を低下させることが明らかとなった。しかし、このような構造変換よりも、酸化亜鉛への色素吸着過程で共吸着剤を添加するほうが高い変換効率を与えることがわかった。 4、ベンゾインドリン誘導体の検討:長波長化による変換効率の改善を目指した。その結果、ダブルロダニン誘導体では、650nm付近での増感作用が見られたがIPCEが低下するためJscが低下した。ベンゾインドリン誘導体では、酸化電位が負にシフトするため、変換効率は改善されないと考察された
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Research Products
(6 results)