2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550186
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
亀山 敦 Kanagawa University, 工学部, 教授 (80231265)
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Keywords | 色材 / 微粒子 / カプセル / チオール基 / 自己集合 |
Research Abstract |
近年、機能性カプセルとして利用できる分子集合体形成に関する研究が注目されているが、それらの多くは高分子を用いた研究である。一方、当研究室では6-オクチル-s-トリアジンジチオール(STC-8)の水中自己集合によるナノメートルサイズの微粒子の形成と、この可逆的安定化について報告している。また、この微粒子中への有機ゲスト化合物の取込みが可能であることも見出しているが、その内包挙動は詳細に調べられていない。本研究では、種々のアルキル鎖CH_3(CH_2)_nを有するトリアジンジチオールの自己集合を利用した有機ゲストの内包挙動を明らかにすると共にナノカプセルの形成について検討を行った。 NMP:H_2O=1:1.25混合溶媒系にてSTC-8(conc.=1x10^<-3>),STC-10(conc.=1x10^<-3>),STC-12(conc.=1x10^<-3>)を用いてベンズアントロン(BA)(conc.=1x10^<-4>)内包集合体のSEM観察を行った所、STC-8の場合は、約100nmの粒子が形成され、STC-10の場合は幅1μm〜3μm、長さ3〜15μmの棒状の集合体、STC-12の場合は、幅1μm〜4μm、長さ5〜15μmの繊維状の集合体が確認された。球状の微粒子を形成するのはSTC-8のみであった。次に、水溶性染料内包カプセルの形成について検討を行った。3種類の染料、ローズベンガル、クリソフェノン、ダイレクトブルー15(conc.=1x10^<-4>)をそれぞれ溶解させ、均一溶液にした後、H_2Oを加えNMP:H_2O=1:1.25の混合溶液を調製した。得られた各染料内包カプセルは、粒径が265〜421nm程度であり、初めに用いた染料のうち15〜38%がカプセルに内包された。また、それぞれの染料内包カプセルは、水に分散させても染料の染み出さない安定性の高いカプセルであることが分かった。
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