2008 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚疾患治療、アンチエイジング効果をもつ薬剤開発とその経皮吸収促進
Project/Area Number |
19550187
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
飯村 菜穂子 Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences, 薬学部, 准教授 (00232140)
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Keywords | 色素沈着治療 / ヒドロキノン / 分子複合体 / 経皮吸収 / 両親媒性物質 |
Research Abstract |
両親媒性物質と色素沈着治療薬として良く知られているhydroquinoneとの複合体は、これまで単鎖を有する4級アンモニウム塩型両親媒性物質との間に得られることを明らかとしてきた。今回2本鎖を有するカチオン性両親媒性物質との間での生成を試みたところ単鎖を有する4級アンモニウム塩型両親媒性物質との複合体同様、結晶体として得ることができた。2本鎖を有するカチオン性両親媒性物質との分子複合体と、単鎖4級アンモニウム塩型両親媒性物質との分子複合体について、(1)熱に対する物質安定性、(2)皮膚吸収性を検討したところ(1)について両者とも複合体形成することにより単体hydroquinoneに比べ昇温に伴う揮発が抑えられていることがわかった。(2)皮膚吸収性について単体hydroquinoneと上記2種の分子複合体を用いて、Franz型拡散セルを使用して薬物(hydroquinone)の皮膚移行率を調べたところ、単鎖を有する4級アンモニウム塩型両親媒性物質とで形成された分子複合体が高い透過性を示した。 またアンチエイジング効果を持つことで知られるポリフェノールとの分子複合体生成についても試みた。ポリフェノールは皮膚吸収性が低いことで知られる。HLBの比較的小さい非イオン性界面活性剤溶液を用いて皮膚透過実験を行うと皮膚吸収性の向上が見られることがわかった。今後この様な溶液からの結晶化を積極的に進め、両者間の相互作用をX線構造解析を用いて解明していきたいと考えている。
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