2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550190
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
前田 和之 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (60343159)
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Keywords | ナノ材料 / 無機工業化学 / 多孔性材料 |
Research Abstract |
ケイ酸源存在時に得られる小細孔シリコアルミノホスフェートSAPO-34(CHA相)について、ケイ酸源の代わりにMeSi(OEt)_3及びPhSi(OEt)_3(以下それぞれMTES及びPTES)を用いてオルガノシリル基導入の検討を行ったが、少量のPTESを用いた場合を除きいずれもCHA相は得られなかった。PTESはMTESに比べC-Si結合が切断されやすく、塩基触媒存在下PTESから生成したケイ酸種が骨格に導入されCHA相が生成したものと考えられる。また、PTES量が多い場合にはA1及びPをほとんど含まずフェニルシリル基を完全に保持したアモルファスオルガノシリカ粒子が生成することがわかった。この粒子が反応初期に系から分離されたためSAPOの結晶化が起こらないと考えられる。 また、有機ホスホン酸及びケイ酸源を添加した場合にはホスホン酸源や条件によらずCHA相が生成した。しかし、ホスホン酸化学種は一部生成物中に取り込まれているものの、^<31>PMAS-NMRでピークが80ppm付近に観察されることより骨格への導入は起こっていないことがわかった。SAPO-34に有機ホスホン酸を気相で導入した場合も同様のピークが得られることから、ホスホン酸由来の化学種が外表面上の酸点近傍に吸着しているものと考えられる。ケイ酸源を添加しない場合にはCHA相を生成せず、ホスホン酸量が多くなると固体も生成しなかった。 以上より、CHA骨格にはオルガノシリル基、ホスホネート基ともに導入されず、小細孔AIPOでは骨格への有機基導入が困難であることが裏付けられた。
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