2008 Fiscal Year Annual Research Report
高次メソ構造をもつ有機官能基-シリケート新物質相の開発と環境毒性物質の高選択除去
Project/Area Number |
19550191
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
吉武 英昭 Yokohama National University, 大学院・工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20230716)
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Keywords | ハイブリッド材料 / 表面・界面 / シリケート / 吸着 |
Research Abstract |
1価、2価のカルボン酸界面活性剤ミセル頭部と1価、2価アミノシラン中のアミノ基間の相互作用を構成原理とする有機-無機メソ複合固体を、全組合せで合成した。シロクサン結合形成はほぼ100%で、シラノール基がほとんど存在しない固体が得られた。カルボン酸と同一数の炭素を有する中性界面活性剤分子とそれと同モルのテトラエチルシリケートを合成ゲルに混合し、アミノ基の距離を制御した層状物質を合成した。1価カルボン酸-1価アミノシランの組合せでは、層剥離し、超薄層ポリシロクサンを単離することを試みた。この時完全に界面活性剤を除去すると層間の小さい層状物質が形成される。この固体への鉄(III)イオンの配位を試みたが、界面活性剤による層状固体の10分の1程度しか吸蔵されなかった。一方微量の界面活性剤分子が残留する固体では、鉄(III)の配位は減少しない。鉄(III)配位層状ポリシロクサンはヒ酸イオンに対し、大きな吸着容量を示した。吸蔵した銅(II)の電子スピン共鳴分光では、飽和吸蔵の場合にCu-Cuのカップリングが見出され、二次元状に銅(II)を高密度に固定することが可能であることを明らかにした。壁内二重結合を有する細孔性ポリシロクサンの場合、表面修飾を目的とした有機反応にてメソ構造の破壊が起こりやすいが、気-固反応によりこれを完全に抑制できることを示した。アミノ基間距離を制御した場合、その密度に従い銅(II)へのアミノ基の配位を正四面体から単なるキレート型へ変化することが明らかになった。この場合、銅の配位強度と吸蔵容量はそれぞれ異なり、相反することから、応用の場合は適切な官能基密度を選択することになる。さらにこの銅配位層状ポリシロクサンはクロム酸イオンに対して高い親和性を示した。
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Research Products
(4 results)