2007 Fiscal Year Annual Research Report
高速分光法を用いたリチウム電池正極材料エピタキシャル薄膜の電荷交換反応測定
Project/Area Number |
19550194
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
園山 範之 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (50272696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 了次 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90135426)
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Keywords | リチウム電池 / エピタキシャル薄膜 / 吸収スペクトル / LiMn_2O_4 / LiFePO_4 |
Research Abstract |
LiMn_2O_4エピタキシャル薄膜をPulsed LASER Deposition法を用いて透明性に優れた絶縁体のアルミナ学結晶基板(001)面,酸化マグネシウム(111)面上に,また比較対象として透明性を持たないn型半導体であるNbをドープしたSrTiO_3(111)面上に蒸着した。薄膜用XRDにより構造解析を行った結果,合成した全ての面上においてLiMn_2O_4が111配向したエピタキシャル薄膜が得られたことが明らかになった。 n型半導体であるNbドープSrTiO_3(111)面に蒸着した薄膜は通常のバルク電極と比べ,放電電圧が低下し,4V領域に放電プラトーを示さず,3.0-3.5Vで充放電が進行した。一方,絶縁体であるアルミナ(001)基板,酸化マグネシウム(111)墓板上に蒸着した簿膜は,バルク電池と同じ電圧領域に1段階の放電プラトーを示した。以上のことより,リチウム電池材料のエピタキシャル薄膜は,基板と強く相互作用して電気化学特性が変化すること,また基板と化学結合を形成したいるため,立方晶から正方晶への転移が抑制されることが明らかになった。 LiMn_2O_4エピタキシャル薄膜は充電、放電中に吸収スペクトルがほとんど変化しなかった。LiMn_2O_4は電子が非局在化しやすく,充放電中に電子の出入りはマンガンのd軌道ではなく酸素のp軌道との間で起こっていると言われている。そのため,マンガンのd-d遷移に起因する吸収スペクトルに変化が生なかったと思われる。そこでLiMn_2O_4よりイオン性の高いLiFePO_4薄膜で同様の測定を行ったところ,充電のごく初期に出発物質,酸化生成物のいずれとも異なる吸収が観測された。これは,反応初期の中間体の吸収と考えられる。今後は得られた中間体の特定と反応機構の解明を行っていく。
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Research Products
(6 results)