2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規な室温動作型硫黄-リチウム電池系の構築と界面反応特性
Project/Area Number |
19550198
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
町田 信也 Konan University, 理工学部, 教授 (10190381)
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Keywords | 無機工業化学 / 先端機能デバイス / 新エネルギー / 全固体型電池 / リチウムイオン電池 / 二次電池 / 硫黄 |
Research Abstract |
現在市販されているリチウムイオン二次電池は、正極材料としてLiCoO_2やLiNiO_2を母体とする層状岩塩型遷移金属酸化物が主に使用されている。しかし、これらの遷移金属類は資源量が乏しい希少金属類(レアメタル)であるとともに、単位重量当たりの電気化学容量が130〜200mAhg^<-1>程度にしかならない。一方、硫黄は、1600mAhg^<-1>以上の大きな理論的電気化学容量を有する。さらに、硫黄は資源的に豊富で安価な素材であり、毒性が少なく、リチウムイオン電池の正極材料として魅力的な物質である。本研究では、高いエネルギー密度が期待できる硫黄を正極材料とする新規な硫黄-リチウム二次電池系の構築を目的として、無機系固体電解質を隔膜として用いる全固体型電池の試作を行い、特性を評価したものである。昨年度、硫黄に硫化銅(CuS)を添加した複合電極材料が全固体リチウム電池の正極活物質として機能することを見出すとともに、この硫黄電極が高エネルギー密度を有する電池の構築に有望であることを報告した。 本年度はこれらの複合正極材料について、さらに検討を進めた結果、銅シェブレル相(Cu_2Mo_6S_8)を添加した硫黄複合材料が、CuSを超えるすぐれた電気化学的特性を示すことを見出すとともに、このシェブレル相が、硫黄を正極活物質として機能させるための良い電極触媒になることを見出した。この特性の向上は、シェブレル相が電子導電性をもつとともに、シェブレル相から供給される銅イオンが硫黄と反応して複合電極中に分散されるためと考えられる。
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Research Products
(2 results)