2007 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族ポリアミドのN-アルキル化によるらせん構造の形成とらせんセンスの誘起
Project/Area Number |
19550202
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川内 進 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (80204676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 順次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90111666)
戸木田 雅利 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30301170)
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Keywords | 全芳香族ポリアミド / らせん構造 / 量子化学計算 / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、新たに分子不斉を示す化合物の基本骨格として有望と考えるN-アルキル化芳香族アミドの分子不斉、らせん構造の形成能について解明を行い、その制御を目指すものである。得られた研究成果は、新たな液晶分子や超分子、そして分子不斉触媒などの不斉場のデザインに貢献するものと考えられる。具体的には、(1)全芳香族ポリアミドのアミド結合をN-アルキル化することで形成するらせん構造の解明、そして、さらに(2)N-アルキル化全芳香族ポリアミドが形成するらせんセンスを制御することが目的である。 当該年度は、モデル化合物であるベンゼン環のオルト、メタ、パラ位がN-アルキルアミド結合によって連結され、アミド結合の方向性が異なる全芳香族ジアミドならびにトリアミド化合物について量子化学計算を行った。その結果、すべての化合物でシス体がトランス体よりエネルギー的に安定であり、この主な原因はトランス体の立体障害が大きいということに起因することが明らかとなった。これは通常の分子ではシス体の方が立体障害が大きいと言うことに反する結果である。またすべての安定構造は分子不斉構造を有することが明らかとなった。これを元にオリゴマー構造をいくつか構築し、量子化学計算を行った。その結果、いずれの場合も、N-アルキル化全芳香族ポリアミドには少なくとも2つのらせん構造が存在することが明らかとなった。現在、論文2報投稿準備中である。
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