2007 Fiscal Year Annual Research Report
弾性率の電気制御により空気中で駆動する高伸縮性高分子アクチュエータ材料の開発
Project/Area Number |
19550203
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
奥崎 秀典 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (60273033)
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Keywords | 導電性高分子 / ポリピロール / PEDOT / PSS / アクチュエータ / 電気収縮 / 吸脱着 / 人工筋肉 / 弾性率 |
Research Abstract |
モノマーとしてピロールを用い,ドーパントとしてテトラフルオロホウ酸イオン,過塩素酸イオン,トシレートイオンおよびドデシルベンゼンスルホン酸イオンを用い,電解重合によりポリピロールフィルムを作製したところ,ピロール濃度0.06M、テトラフルオロホウ酸濃度0.05M、電流密度0.125mA/cm^2、重合温度-20℃の条件で作製したポリピロール(PPy/BF_4)フィルムが,最も高い電導度170S/cmを示した。また,ポリチオフェン系導電性高分子として,ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT/PSS)を用い、キャスト法によりフィルムを作製した。さらに,エチレングリコールを3%添加することにより作製したPEDOT/PSS/EGフィルムは、175S/cmの電導度を示した。得られたフィルムのヤング率、強度はそれぞれ、1〜2GPa、50〜60MPaであった。また、X線構造解析によりこれらのフィルムは非晶質であることがわかった。PPy/BF_4,PEDOT/PSSおよびPEDOT/PSS/EGフィルム(長さ20mm,幅2mm,膜厚15〜20μm)について,30℃で相対湿度を20%〜90%RH繰り返し昇降させたときの伸縮挙動を測定した。PPy/BF_4フィルムは湿度の昇降とともに収縮し,寸法安定性が低いことがわかった。これは,電解重合の過程でフィルム内に生じた内部応力の緩和に起因すると考えられる。これに対し,PEDOT/PSSとPEDOT/PSS/EGフィルムはわずかに伸長することがわかった。湿度変化に対するフィルムの伸縮感度は,PPy/BF_4フィルムで徐々に低下するのに対し,PEDOT/PSSとPEDOT/PSS/EGフィルムでは高い安定性と再現生を示すことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)