2008 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロスピニング法により作製したポリジオキサノンナノファイバーの微細構造解析
Project/Area Number |
19550207
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 正樹 Kyoto University, 化学研究所, 准教授 (60172003)
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Keywords | ポリジオキサノン / エレクトロスピニング / ナノファイバー / ポリエステル / 電子顕微鏡 / 電子回折 / シシカバブ構造 / ポリスチレン |
Research Abstract |
脂肪族ポリエステルであるポリジオキサノン(PPDX)繊維は、主に吸収性手術縫合糸として世界中で使用されている。本研究の目的は、エレクトロスピニング(ES)法で作製したPPDXナノファイバーに対する、物性・生分解速度の制御に直結し得る内部微細構造の解明にある。本年度も、透過型電子顕微鏡(TEM)用の試料として適切な繊維直径(50nm以下)を達成するために、ES法での紡糸条件、後処理(延伸、熱処理など)条件に主眼を置き、比較のため、種々の芳香族ポリエステル、アイソタクチックポリスチレン(i-PS)、シルクフィブロイン、羽毛ケラチンからも、ES法でナノファイバー作製を行った。1).自作の「平行板コレクター」に収集したPPDXナノファイバーをそれに載せたままで延伸や熱処理し、結晶化を促進した(この方法を用いた後処理による結晶化促進は、他のポリマーでも生じた)。赤道反射(210と020)による暗視野TEM像には、繊維軸に垂直に走る「明るい筋(即ちラメラ晶)」が明瞭に認められ、更にシシカバブ構造を示唆する積層ラメラ構造も確認し、電子顕微鏡学会(2008/5/21)で発表した。2).芳香族ポリエステル(PBT、PEN、PETと、我々で合成したポリヘプタメチレンテレフタレート(PHepT))ナノファイバーでも、結晶化を促進させる紡糸条件や後処理条件を検討し、PBT、PEN、PETについては学会発表した(繊維学会年会2008/6/19;接着学会年会2008/6/26)。PHepTについては、国際結晶学連合会議(IUCr2008;大阪)で発表し(2008/8/26-27)、論文発表した(J. Mater. Sci., 44,2137(2009))。3).羽毛ケラチンとi-PSのナノファイバーを作製し、ケラチンについては繊維学会年会(2008/6/20)で、i-PSについては繊維連合研究発表会(2008/8/28)と学術会議材工連講演会(2008/10/22)で発表した。4).溶液型ES法で作製した各ポリマーナノファイバーのモルフォロジーは観察できたが、繊維直径分布が大きく、平均繊維直径を50nm以下とするのは困難だった。溶融型ES法については引き続き検討中である。5).高分解能TEMによるナノファイバーの格子像撮影については、試料直径に、またTEM装置にも問題が有り、まだ成果は出ていない。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Morphological studies on single crystals and nanofibers of poly(heptamethylene terephthalate)2008
Author(s)
Yutaka Kawahara, S. Naruko, A. Nakayama, M. -C. Wu, E. M. Woo, M. Tsuji
Organizer
XXI Congress of the International Union of Crystallography (IUCr2008 : Osaka, 2008/8/23-31 ; Abstracts, No. P18. 01. 04, p. C601/Acta Cryst., A64, C601 (2008))
Place of Presentation
Osaka (the Convention Center)(大阪国際会議場)
Year and Date
20080826-20080827
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